好きになった彼は幽霊でした。
よかった、いつもの優馬君だ。
「雪姫ちゃん、俺ね、そろそろもう一つの未練を叶えたいなって思うんだ。」
「え…。」
いつかはと思っていた優馬君の言葉。
突然聞かされて驚いてしまう。
「ほら、いつまでもここに留まる訳にもいかないでしょ?それに色々都合悪いしね。」
「そうなんだ…。もう一つの未練って…?」
「明日の夜、君に話すよ。必ず来てくれるよね?」
「…うん。」
「そろそろ時間だね。じゃあ、また明日ね。」
「また明日。」
そう言って私は優馬君と別れて部屋に戻った。
部屋は薄暗く電気がついて、夏菜ちゃんはもう寝ているようだった。
私は静かに布団に入る。
少し不安な気持ちになりながらも、睡魔に襲われて眠りについた。