好きになった彼は幽霊でした。
優馬君…私、悲しくて、離れたくなくて、ちゃんと見送れないかも知れないよ…。
だって優馬君が消えちゃったら、私…どうしたら…どうやって生きていったらいいの?
いっそ私も死んだら、優馬君とずっと一緒にいられるのかな━━━━……。
お昼休み。
4限目が終わってもぼーっと空を眺めていると、いつの間にか目の前に夏菜ちゃんがいた。
「雪姫ちゃーん!聞いてるー?」
「あ、夏菜ちゃん…!?」
「今日、一緒にお昼食べよ♪」
その瞬間、教室内がざわめく。
たぶん、夏菜ちゃんが私に声をかけてきたから。
気味悪がられてる私と人気者の夏菜ちゃんという組み合わせは本来有り得ない。
「あの、夏菜ちゃん…私とあんまり関わらない方が……。」
「何言ってるの?気にしないで早く行こ!」
私は夏菜ちゃんに手を掴まれて教室を出た。
「いつものベンチでいいよね!」
「あ、う、うんっ…!」
夏菜ちゃんは優しい。
こんな私にも普通に接してくれる。