好きになった彼は幽霊でした。
「あはは。雪姫、可愛過ぎ。君も、もっと自分に自信を持っていいんだよ。雪姫はいい子で可愛いんだし、恋もしてさ。」
「私…優馬君以外の人と恋なんて……。」
出来るのかな。
優馬君よりも好きになるなんて…。
「そう思ってくれて嬉しいけど、君に幸せになって欲しいんだよ。」
「優馬君……。」
「本音を言えば凄く嫌だけど、君が幸せになるなら、生きてるうちは他の奴に恋をしても許してあげる。俺はまた君に逢えるのを待ってるから。」
「私、優馬君に必ず逢いにいくから…!」
優馬君の体は薄らと何となく見えるだけ。
「また逢う日まで元気でね。今度逢う時には、もう絶対に君離さないから覚悟してね?」
「うんっ…!私も今度は絶対に離れないよ…!」
「大好きだよ、雪姫━━━…。」
静かな図書室にはもう優馬君の姿はなく、声だけが優しく響いた。
私はしばらく涙が止まらなかった。
窓の外の空は
薄らと明るくなり始めていた━━━…。