姿の見えない君と恋をしよう
蝉の五月蝿い8月に
暑すぎる夏に嫌気がさす。

蝉の音も、強すぎる日光も大嫌いだ。

暑すぎるせいで食欲がなくなり、毎年痩せてしまうの僕の悩みだ。

今は夏休み、暇な時間をたっぷりと手にした高校生。

ベットに寝転び何をするか考える。

重たい上半身を上げる。

寝すぎたせいで、頭がグラグラする。

もう11時をさす時計に目をやる。

寝すぎたなんて言い訳ができないほど、ベットに転がっていた。

僕の母は、リビングへ顔を出さなければ、起きたことにはしてくれない。

僕が階段をおり、父や母、姉等と挨拶をしなければ、永遠と『母』という名のアラームがなり続ける。

「こらー!華月!いい加減に起きなさい!」
とまたもや、母アラーム。

もうとっくに起きてるっつーの。

全く、僕よりも小さなあの体に、なぜ僕よりも大きな声が出せるのだろうか。

僕も肺活量的なものを鍛えれば、あのぐらいの声が出せるだろうか。

そんなどうでもいい事を考えていなければ、長い夏休みは終わらない。

リビングへ足を踏み入れると、ボサボサ頭の姉が朝食を食べている。

僕とは違い、姉は本当に今起きたようだ。

呆れながら、僕はダイニングテーブルに着く。

机に並べられているご飯は、一般的な朝食だった。

11時に朝食というのも変な気がする。
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