姿の見えない君と恋をしよう
朝食を流し込んだ後、長い時間をかけ歯を磨いた。

そんな行動の一つ一つに、意味を見出さなければやってられない。

さっさと、部屋へ逃げ込んだ。

かといって、やることなんてないのだが。

8月になり、夏休みの課題なんて、とっくに終わらせている。

やることもなく、ベットの上での生活をずっと送り続け、流石にベットの上が、僕の生活区域になってしまいそうだ。

そんな僕がドアを開け、最初に違和感を持った。

自分の部屋に違和感なんて、おかしいかもしれない。

だが、そこにはあるはずのないものが、あった。

それは、コンタクトレンズだ。

僕の視力は、両目とも2・0。

コンタクトレンズを付ける必要なんて、全くない。

そもそも、僕はコンタクトレンズの付け方を知らない。

僕はコンタクトレンズの入った箱を、勉強机の棚の奥へ、放り投げた。
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