姿の見えない君と恋をしよう
雨に濡れない透明人間
眼鏡をかけて見えた世界は、普段とそう変わらない。

度が入ってないんじゃないかと疑うくらい、変わらなかった。

いつも通りの僕の部屋。

ベットがあって、机があって、女の子が居て、棚がある。

いつも通りの僕の…へ、や?

いや、女の子?僕の部屋に?女の子?

僕は軽いパニック状態だ。

そりゃあ、いきなり女の子が現れて、驚かない方がおかしい。

僕の方をじっと見る女の子。

女の子といっても、僕とおじくらいの歳だと思う。

僕は、その女の子をずっと目ていた。

「はぁー。やっと気付いた?」

その少女の最初の一言は、まさかのため息だった。
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