友情というの名の下に

「彼氏がいるって事だけ。誰なのかも、どんな人なのかも聞いてない。」

ここまで来たら本当のことが知りたくなる。

麻奈の目は期待に輝いていた。

「俺も本人に聞いてみないと分かんねぇ」

一輝は大きなため息をついた。



「でも、そういう関係じゃなかったの？」

「昔はね。でも何ていうの？一時の倦怠期みたいなので微妙な関係。
しかも、受験が重なって…。」

そこから先は何となく予想がつく。

麻奈はなるほどねと言っておいた。

あの時の倖からして、全てが繋がった気がした。

でも『いるよ』と答えた彼女からしてみればまだ終止符が打てていないのかもしれない。