友情というの名の下に
相当悩んで話してくれたことがすごく嬉しかった。

「ありがとう…。こんな大切なこと話してくれて」

麻奈はそれしか言えなかった。

目の前にいる友達のお腹に赤ちゃんがいるなんて…。


「かず。何か言ってた?」

倖は弱弱しい声で問いかける。

「あんまり話してないから、よく分かんないけど
多分一輝君もまだ倖の事想ってるよ」

麻奈は感じたままを口にした。


倖と微妙な関係になってから一輝は光を失ったんだと思う。

そうでなきゃ、あんなに寂しそうに倖のことを語らない。

「そっか…。」

いつもの元気な倖からすると別人かと思うほど弱かった。

< 30 / 38 >

この作品をシェア

pagetop