友情というの名の下に
―――倖。


「ごめんね。いきなりこんな事して」

教室の一番端に座っていた一輝に声を掛ける。

もう逃げたりしないって決めたから。


「いいよ。何?はなしって」

受験直前の冬休みから口を利いていなかったけど昔のように話してくれるのが嬉しかった。


「ごめんね。キレたりして…。」

「いいよ。俺も空気読めばよかったし」

倖が怒った理由は口にださなくても分かる。


「それでさぁ。まだ、あたしの事好き?」

倖は俯いていたまま目だけ上に向ける。
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