友情というの名の下に
「・・・。」

一輝は何も答えなかった。

「そうだよね…。あのくらいでキレる女なんて呆れちゃうよね」

倖は苦笑いを浮かべる。


「そうじゃ無いけど。まだ自分に正直になれない。
確かにこうなった原因をつくったのは俺だし。意地張って誤らなかったのも俺。
後悔してる。妊娠したら大変だもんな。俺たちまだ子供だし。
子供出来たってねぇ…。」

そこで一輝は話を止めた。

「そっか…。でも、あたしも悪いと思ってる。後悔してる」

その時一輝はココに座れと自分の隣にある椅子を差し出してくれた。

こういう優しさを自分のものだけにしたいって思った。


「あの時。体目当てになりかけてる自分が嫌だった。」
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