好きにならないはずでした。
佐伯は確か、今はクラスメイトの 篠原 優衣 の彼氏だ。
今は。
コイツは女たらしで有名。
入学してから早2年、通っているのは一学年2クラスしかない田舎の小さな中学校なのに、
付き合った人数は既に2桁を超えている。
なぜそこまでして恋愛がしたいのだろうか。
恋をしている自分に恋しちゃってるだけだろ。
そういえば……
__コイツお祭り来てたっけ?__
男子の集団やカップルは何組か居た。
しかし佐伯は居なかった気がする。
男子の集団は写真も撮ったから佐伯が居なかったのはしっかりと覚えているし、
優衣ちゃんは友達と来ていたのを見た。
なら、なんでコイツ私が浴衣で行ったこと知ってるんだ?
一瞬不思議に思ったが聞けばいいだけの話。
既読無視しようとしていたが、お祭りの事を聞くためにも返信をした。
『佐伯、いたっけ?(笑)』
『てか、きもい。そういう事は優衣ちゃんに言って。』
さすがの佐伯でもズバッときもい。とか言われたらもうそういう事は言わなくなると思うし、ちょうど良かった。
「お風呂入ってこよ…」
私はボサボサになってしまった結っていた髪を解き、私は部屋を後にした。