薔薇色の日々
そこまで考えたところでドアにつけた鈴が鳴る。
反射的に明るい顔をして、今まで掃除をしていた時代錯誤なほうきを端に寄せて満面の笑顔をこしらえる。

「いらっしゃいまてー」

少し噛んだけどきっと聞いていないでしょ。
予約管理システムが200ポイント引いてねと光っている。

予約した内容と料金とを確認して進めていく。

お客様は神様だ。

けど、神様ってなんなのか。

また堂々めぐりなのだと笑顔仮面の下で密かに思う。
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