時を超えて君想ふ
でも、それはクラスメイトたちの顔を見れば
杞憂に終わった

ボクを観るクラスメイトたちの目からは
悪い感情を感じず、どちらかというと熱っぽいような気がした


「皆さん、おはようございます
今日は転校生がきました
では、ユウキさん、お願いします」

先生の言葉に返事をして、
先生に渡されたチョークを持ち、黒板に自分の名を書く
ちゃんとフリガナまで書いた
ボクの名前は読みにくいのである
そして、クラスメイトに向き合う

ニッコリ微笑んで、

『初めまして
ボクの名前は 結城 愛 《 ユウキ チカ 》と言います

分からないことが色々あると思うので、
ぜひ教えて下さい

ボクのことを知りたい人は質問しに来てね?

みんな、ボクと仲良くして下さい』

ペコリとお辞儀した
願わくば、いじめないでください
ぼっちもいやです

そんな願いをおくびにも出さない
可もなく不可もなく、
至って普通の挨拶だったと思う
しかし、クラスメイトたちの頰が紅く染まっていた

よく見ると、うわ言のように何か喋っている
何言っているんだろう?と思っていると、
先生が「結城さんの席は1番後ろの窓側の席ね」と言ったので、その席に向かった。

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