時を超えて君想ふ
野宿は回避できた
しばらくはここで世話までしてもらえる

土方の小間使いとしてだけれど
右も左もわからない、
時代トリップしたボクの状況としては
良い方向だろう

近藤さんに肩を触れられたときは
身体が勝手に動いて
蹴り飛ばそうとしてしまったけれど

室内で
男がいて

違う時代にきてしまったこと
これからのこと
に対して、不安を抱いていたこと

それらによって、つい…


近藤さんも
総司も
土方も

良い人だ

ボクは男が苦手だ

だけれど、ボクに対して手をさし伸ばしてくれる

そうな人たちを
男だからという理由で
怯えても仕方ない

世の中には、男だろうが女だろうが
怖い奴はいる

ボクのトラウマの人物が男だっただけで
彼らには何の問題もない


一緒に風呂に入った近藤さんまるで
お父さんみたいだ

もし、
お父さんが生きていたら
こんな感じなんだろうか

大きくて、優しくて、あったかい


そして、思う
ボク、こんなに良い人に
暴力を振るおうとしていたなんて…!!

ごめんなさい
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