時を超えて君想ふ
街中にて

『これとこれがいいです』

「わかりました
これとこれと、ついでにあっちのも下さい」

「まいどー」という売り子さんの声を
背後に呉服屋さんを後にした



『総司、有難うございます』

「いえ、ほかに必要なものはありますか?」

『十分すぎるぐらいです』

「そうですか?
じゃあもう屯所に帰りましょうか」

はい、と返事をする


ただいま、沖田さんとボクは
ボクがこれから必要になるであろう物資の
調達を終えたところだ

総司は思ったよりも紳士的
荷物のほとんどを持ってくれる
最初の方は申し訳なくて何度も持ちます、
と言ったのだけど、
結局持たせてくれたものは軽い荷物のみ

それに歩調を合わせてくれるし、
たくさん買ってくれるし
(買いすぎじゃないの?と不安になるぐらい…)

つまり、紳士

顔良し、性格良し、でいい人すぎない?


帰路中、
総司に屯所のことを教えてもらったり、
ボク自身のことを話したり、
会話を楽しんでいると、
総司が立ち止まった

どうしたのだろう、と総司の視線の先を見ると
甘味処を発見

「ここによりませんか?」

爽やかな笑顔だった
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