時を超えて君想ふ

てくてくと廊下を歩く
長いなー、この廊下

てか、どこよ、ここ
切実に地図が欲しい

数分前、
鬼のような怒鳴り声(土方)と
うるさい足音(土方)
が背後から聞こえ、
ボクと総司は二手に分かれた

撹乱作戦である

その作戦は成功した!
しかし、
ボクは見事に迷子なう


スッパーン!

襖がいきなり開いて、
思わず、びくっ!としてしまった
びっくりした

「なんか気配したと思ったら、君誰?
見慣れない顔だぁね」

覗き込むように出てきた柔和な男

「あ!
その子新しい土方さんの小間使いっすよ、
芹沢さん!
いやー、きっれーな顔してますよねー!」

芹沢さんと呼ばれた、柔和な男の背後から
ひょっこりと頭一個分小さい男が喋る

あ、褒めてくれてありがとう、
でも、顔近いよ
声でかいよ

「へー、で、名前は何かな?」

「えーっと、確かー!
「原田、君には聞いてなぁいよ」 ういっす、
ごめんなさい」

原田さん?
いや、うるさいから原田でいいや
原田を黙らせてくれて有難うございます、
芹沢さん
でも、顔面がうるさいからそこも黙らせて

「っちょいちょい!
土方さんの小間使い!出てる!」

『はい?』

何が?
変な格好でもしてたかな?
あ、さっき走ったからはだけたとか?
そう思い、自分の格好を見る

けれど、特に目につくような所はないし…
原田の頭の問題?

「だーかーらー!
声が出てるんだって!
ちょっと失礼だよ!
土方さんの小間使い!」

プンスカ怒る原田
暑苦しいことこの上ない

『ごめんなさい、つい
ボクは結城愛って言います
原田は結城さんって呼んで下さい
ボクは原田のこと原田って呼ぶんで』
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