時を超えて君想ふ

必要に迫られたから!

数日後、大阪に行く日になった

面子の1人である総司は
にこやかな笑顔で
軽やかに行ってきますと言った

周りも気負った感じはなく、
表情や態度は明るかった
そして、送る側も同じだった

しかし、目だけは
意志を強く持った瞳だけが印象的だった


ボクはそれが眩しく、不思議に思えた




見送った後、
土方の部屋で書き物をする土方に
お茶を出したあと、ボクはすることがなく
万年床に横になりぼーっとしていた

考えてしまうのは、先ほどの見送りの光景

『ねー土方ー、いつもあーなの?』

気づくとボクは土方に話しかけていた

「ア?何がだァ?」

『今日見送ったじゃん』

「アー、大阪に行ったやつか」

『そ』

「それがどーかしたのか?」

『怖くないの?』

「ア?」

『あ、しか言えないの、土方って
馬鹿だから?それとも阿保だから?』

「ア゛?
ふざけるか真面目にするか
どっちかにしろォ!
大体、馬鹿も阿保も同じだろーが!」

『はあ、仕方ないなー』

「オイ、何で俺が悪りィみたいに
なってんだ」

『話したいんだけど?』

「ヘイヘイ、どーぞ」

主導権はボクにあるんだから、土方は
振り回されとけ

ボクに勝ると思うなよ?
< 65 / 78 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop