伝説となったK

Kは母親のおかけで運良く生きていたが、
それが仇となり、今こんな事になっていると
瞬時に判断できた。

こんなときに家系の血が憎くなる。

その日は、説明されて真っ白な部屋に
連れていかれて拘束を解かれただけだった。

残りの時間は、黒が言うには
『頭を整理させろ』という事らしい。

そう言われても、Kの中では、
とっくに整理が出来ていて、つまらない1日だった。

そして。この実験室で目を覚ますのも
これで3度目。
そして、ここに来てから3日目でもあった。

白は既に部屋のガラスで仕切られている所で
座っていた。

そんな白を見ていたら黒が入ってきた。
黒は『今日から実験を始める。
今から出てくる椅子に座る様に』と言った。

言い終わってから黒は白に合図を出すと
白は何かのボタンを押した。

すると、壁に穴が開いてそこから椅子が出てきた。
Kは大人しく座った。

座った瞬間にセンサーがあるかわからないが
手首が椅子から離れないように拘束された。

『これでもうされるがままね』Kは思った。

このくらいは簡単に壊せる。
でも、それをしたら息子はともかく
旦那は殺される。確実に。


< 9 / 16 >

この作品をシェア

pagetop