想いをのせて


仕事が終わり、スマホを見ると青空さんから返事がきていた。

よかった、単に返す時間がなかっただけだったんだ。

ホッとしながらも、返信の内容を見るのが少しこわかった。


おそるおそる返事を確認する。

“チャイさんは誰ですか?”

“青空さんが先に教えてください!”

“(笑)横田慶介です。
 チャイさんの番ですよ?(笑)”


心臓が止まりそうだった。

それは誰よりも望んだ名前だったから。

何度も何度も彼がくれたメッセージを読み返す。

嬉しくて、苦しくて。
息ができなくなりそうだった。


早く返事をしなきゃ。

彼も、私の名前を知ったらおんなじように想ってくれるかな。

そうだといいけど。


“松田千歳です”

震える手で必死に文章を作成。
自分の名前を書くのにこんなに緊張したのは、高校入試の時以来かもしれない。


“マジで!?”

彼からの返信はすぐにあった。

驚くよね。
でも、驚きだけなのかな……。


“うん、マジで(笑)
 そっちこそホントに慶介くんなの?”

“うん”

“証拠見せて”

“いいよ”


それからまた返信が途絶えた。


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