取り戻したい・・愛

✫✫治療


俺は、片付いてから
旭に病院に送ってもらい
蓮と変わった。

蓮は、嫌がるが
明日の朝
オヤジの着替えをもってくるように
告げて旭に送らせた。

俺は、ベンチに座って
手を広げてみた
かなり、傷ついていた
すると
「手、大丈夫ですか?
    見せて下さい。」
と、看護師に言われた。

俺が、何かを言う前に
看護師は、消毒をして
治療して、包帯をまいてくれた。
「これで、大丈夫ですよ。」
「あ、ありがとう。」
「いいえ。
 ICUにいる方のご家族の方ですか?」
「ああ、まあ、本当の家族ではないがな
俺は、拾われたんだ‥‥オヤジに。」
「そうなんですか?
でも、本当の家族みたいですね。
心配したためにできた傷でしょう。
それ?」
「ああ、まあな。
・・・・また・・一人になったかと・・」
「大丈夫ですよ。こんなに心配してくれる
人が待っているのですから。」
「ああ。あんたここの看護師か?」
「いえ。私は研修生です。」
「名は?」
「柚木です、柚木 海愛です。」
「みうか。俺は君嶋 陽翔だ。
大賀組の若頭をしている。」
「大賀組?」
「ああ。やくざだ。」
「やくざ?」
「みうは、何も知らないんだな。
お母さん達から聞いたことないか?」
「お母さんは、小さい時に亡くなって
ずっと養護施設で育ちました。」
「そうか、すまない。
やくざは、きれいな仕事じゃない。
街の治安とかを守ったりはしてるが。」
と、話していると
「柚木さん、ごめんなさいね
遅くまで、あがってね。」
と、別の看護師に言われていた。
「はい、ありがとうございます。
それでは、君嶋さん失礼します。」
「ああ、気を付けて帰れよ。」
「はい。」
俺は、海愛の後姿が見えなくなるまで
見ていた。
オヤジは、まだ目を覚まさない。
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