取り戻したい・・愛

✫✫陽翔


このところ、ずっと
海愛の様子がおかしい。

だが、昨日
仕事から帰宅してからは
何かが、吹っ切れたような
顔をしていた。

一昨日までは、なにか
心ここにあらず・・というか
考えこんで、いたのに。

いったい、海愛になにが・・・
海愛の送迎の矢野にきいても
特に変わった事はないと。

親父の耳にも何も入ってない。

「陽翔の取り越し苦労じゃないのか」
と、言われたほどだ。

まあ、俺がこういうのだから
親父のことだ
蓮さんに同行を探らせている。

それでも、なにもでないのか
俺の考えすぎか?
あまりにも溺愛してるからか?

今日も海愛を抱き潰してしまった。

心配していたからか、
海愛を離しきらずに
海愛は意識を飛ばしてしまった。

そんな海愛を綺麗にして
抱き締めて眠りについた。

なぜか、今までより
海愛は、毎日豪勢な料理を作った。
「今日は、なんかある日か?」
と、訊ねても
「ないよ。陽翔さんと旭さんに
栄養つけてほしいだけ?
美味しい?」
「「ああ、はい」」
俺と旭は、こう答えると
海愛は、嬉しそうにするが
ふと、悲しい顔を覗かせる。

それに、ここ何日か
今までになく
俺にベッタリだ。

あの恥ずかしがりやの
海愛が。
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