取り戻したい・・愛

✫✫電話


陽子は、自分が電話しても
陽翔は、でないんじゃないかと
思いながら・・・

「なにか?」
「噂通りね?
体は、大丈夫なの?」
「まあ。」
「陽翔君。明日私と出掛けない?」
「あなたとですか?」
「そうよ、嫌?」
「どうでも」
「そう、なら回りをうまく巻いてきて。
私のあの連中が嫌いだから。」
「分かりました。」
と、話し場所と時間を決めた。

あれから海愛とは、
一日置きに連絡しあっていた。



陽翔君は、本当に一人でやってきた。

私は、彼を隠れて見ていたが
誰も回りにいなかった。

私は、タクシーに乗り
彼の横に停め
彼を乗せた。

うしろを見たが
誰も現れなかった。
「本当に、巻いてきたのね。」
と、言うと
彼は、頷いただけだった。

陽子は、これが海愛の横で
笑っていた
陽翔君か?と改めて
彼の心を心配した。

彼は、どこに行くのか
聞くわけでもなく
黙ったままついてきて
ずっと外を見ていた。

タクシーで、かなり走り
船に乗りかえる

彼は、船でも海をずっと見て
時々、何かを考えているよう
だった。


「陽翔君、ついたわ。
   ついてきてくれる。」
と、言うと
コクンと頷いて
サングラスを掛けた。
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