再度アリスは夢を見るか

ガラクタ山にて

目が覚めた。

まず、どこまでも抜けるような青い空が目に入った。
その青さと眩しさに目をしばたかせながらも、上半身を起こしてみる。
辺りを見渡すが、誰もいない。
わかることは、自分が下に敷いて寝ていたのは、ガラクタの山だということ、自分の左右、後ろは打ちっぱなしのコンクリートの壁があるということだ。
とてもたくさんのガラクタが積み上げられ、山とまでは言わないが、丘くらいに積み上げられたその頂上に彼女は寝ていたらしかった。無意識に手を伸ばした先に顔を向けて見れば、大きな柱時計が短針がないままひび割れたガラス越しに現在の時間を指していた。


…ここは、どこだろう。


誰に言うでもなく、一人呟く。
まだ寝ぼけているのか、頭には霞が掛かっているようで上手く思考が纏まらない。 とりあえず、自分の体を見直してみるるが、大した怪我もないようだ。
ぼんやりとした頭でそこまで考えると、彼女は立ち上がった。
立ち上がって見た丘は、先ほどよりも高く見える。ふと、遠くまで続いている壁と壁の奥に人を見つけ、細かなネジや何かの破片で足が滑りながらも彼女は行ってみることにした。

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表紙・目次

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