村山くんは今日も無気力。
* * *
『で?いよいよテストは明日だけど、大丈夫なの?』
「もっちろん!!今のあたしは東大でもハーバードでも行けちゃうんだから!!」
『バカなの?』
「玲央と同じ反応しないでよ!!」
テスト前日の夜、あたしは潮音と電話をしていた。
「いいよねぇ、潮音は家庭教師雇うお金があって」
『何言ってんの?あんたは先輩で十分でしょ』
「まあね!!玲央はあたしの王子様ですから!!」
『あんたのじゃないからね?』
「うっ……」
潮音の言葉がグサッと胸に突き刺さる。
『先輩を狙ってる女子なんて数えきれないくらいいるんだから、多少は勉強もできないと相手にされないからね?』
「わーかってーるって~!!」
『あたしもう寝るから、じゃあね。』
プツット電話は終了。
「…よし、絶対学年10位入ってやる!!」
そのために、しっかり寝ないとね!!
ちょっと早いけど、あたしはベッドに入り、夢の世界に旅立った。