lumière
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私はいつものように繁華街で歩いていた。
歩いていたと言うより様子を見に来たと言った方が正しかっただろう。
この頃、私はたまに来ては裏路地でリンチなどしている奴を止めていた。
ふと歩いていると人を殴る音が聞こえ、裏路地に入ったらビンゴ。
「……クスッ」
「……みーつけた。」
「……誰だ、てめぇ」
「ん、俺?そうだな……お前を止めに来た一般人とでも言っておくよ。って、あちゃ〜これはすごいね〜。真っ赤な海でも作りたいの?」
「ァ……?ふざけんな!」
私の言葉は癪に障ったようで金髪は俺に殴りかかってきた。……が当たる寸前で金髪は俺の目の前に崩れた。
「……フッ」
そう、殴られる前にやったから。
「……ッ、?!」
目の前に倒れ込む金髪に言った。
「今のお前じゃ、俺は殴れねぇよ」
「なっ」
「だから強くなれ。そのなんもねぇ目をなんとかしろ。」
「ッどうやって!!俺にはなんも……!!」
「あるよ。」
「……は?」
「お前は今どうやってと、聞いただろ?」
「それがなんだよ……」
「それが答えだ。お前は求めてる。だから聞いたんだろ?」
「……ッ!」
目を見開いて俺を見る金髪
図星か。
「いいか?欲するのならば探せ。お前が諦めなければ見つかるはずだ。」
私はそいつの拳を握って
「見つかりますように。」
と言った。
「!!」
「フッ……またな。」
その一言で彼は変わっただろうか。あの目に何かを宿せただろうか。
私は、救えたのだろうか。
きっと大丈夫。
金髪の彼は求めたのだから。
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