lumière
第1章 新生活
春 4月
「……い。……おーい。」
「んー……」
「おーい。……起きろ!」
「んぅ〜……。ん?」
「はぁ。おはよう、咲実。朝だよ」
「ぁさ……。朝……。朝!?」
「そう、朝」
「もう朝か〜。おはよう、遥介」
春になりついに私が高校生になる日。
いつも通りの日常。
でも、今日はちょっぴり違った1日の始まり。
「フフッ」
「どうした?」
「いや?遥介に起こされるのいつぶりだろうって思ってね」
「確かにな。まあ、夜遅くまで起きてたみたいだし」
「調べ物してたら遅くなってね」
「そうか。あ、朝飯出来てるってトキさんから。母さん達待ってるから早く来いよな」
「うん。着替えたら行く」
「おー」
遥介は返事をすると部屋から出ていった。
ちなみにトキさんは相楽家のメイドさん。私と遥介が生まれる前からいるベテランメイドさんであり、私たちの良き相談相手でもある。
「さて、着替えるか」
私は身支度を済ませ、リビングへ向かった。