lumière
「おはよ、お母さん!」
「おはよう!さぁ、席に座って。食べるわよ!」
「おはよう、咲実」
「おはよ、お父さん。」
父からの挨拶を受け、いつも通りに構える。
「さぁ!お父さんと朝のハグを……バシッ」
「しません。」
そして父を殴る。
これが毎朝の相楽家の風景。
こんな、なんてことない平和な日常が幸せなんだけどね。
「父さん、毎回飽きないよな。」
「いててて……。なんなら遥介でも……バシッ」
「やめろよ。気持ち悪ぃ。」
「うふふ、相変わらず仲良しねぇ♪」
「(苦笑い)」
今日は遥介にもハグを求めた。珍しいこともあるもんだ。
「咲実、遥介。今日の入学式行くからな!」
「いいのに、仕事で忙しいんでしょ?」
「そうだよ。無理しなくていいよ。」
お父さんもお母さんも会社の社長だからいつも忙しいのに。
「駄目よ、2人とも。お父さんとお母さんは行きたいから行くのよ!しかも今日からあなた達と離れて暮らすことになるんだから!」
そう、私達は実家から遠い高校に通うことになったため2人で学校近くのマンションに住むことになった。