lumière
家を出て、途中で諒にぃと別れた私達は電車やバスを乗り継いで学校がある町についた。
バス停から歩いていると凪高の制服を着た生徒がちらほらと見えてきた。
「見たところ荒れた様子はあまりないね」
「あぁ、一見は普通の私立高校だな」
遥介と話しながら歩き、気づけばもう学校の敷地内に入っていた。
歩いてみてわかったが結構広い。一般の生徒もいるがやっぱり金持ちもいるってことがわかる。なんか噴水あるし、駐車場にはベンツ止まってるし、なんじゃこりゃ。
いや、見慣れてるけどね?ベンツ。一応、乗るからね?私達も。でも、学校で見るもんじゃない。
しかも
「ごきげんよう」
なんて挨拶しちゃってるし。一般の生徒もその光景には慣れているらしく一緒にごきげんようなんて言っちゃってる。それを見て驚いてる生徒はおそらく新入生なんだろう。遥介も同様のことを思ったらしく苦笑いだった。
「なんだかお金持ちと一般人が混ざると空気感に差が出るね」
「でも中学の時よりはマシだな」
確かに遥介の言う通りだったので苦笑いしてしまった。そのお話はまた機会があればしよう。
それからは入学式を行う講堂へ向かい入学式に出た。
入学式が終わりお母さん達にお礼を言って別れてから自分のクラスを見に新入生が集まっている講堂前に行った。
「あ、あった。私1-Aだ」
「俺は1-Bだ」
「分かれたね、残念。」
「だな。見たところ成績順でクラスは決めないらしいな」
そうらしい。私達はほとんど成績が同じため成績順であれば同じクラスになるはずだ。
「咲実!遥介!」
「海月!おはよう!」
「おはよう、海月」
「おはよ〜!!2人のクラスは?」
こう、聞いてくる彼女は幼なじみの唐沢 海月。彼女も私たちと同様、変装をしている。
「私がAで遥介がB」
「てことは2人は特進科なんだ。大学行くの?」
「そのつもり」「俺も」
「へぇ〜。でも2人って大学卒業してるよね?」
海月の言う通り私達は中学1年の夏から中学2年終わりまでフランスの祖母祖父の家にお世話になって向こうの大学に通って卒業までしてしまった。まさかあんなに早く卒業できるとは思わなかったけど。
「してるけど、ちゃんと4年間行きたいのと日本の大学行きたいから行くんだ〜」
「俺もそんな感じ。あと経済学と国際関係学学びたくてな」
「そうなんだ〜。相変わらず考えてることがすごいね〜」
「海月は?」
「私はパティシエ科だから1-Fだよ〜」
凪高は一学年6クラスで4学科に分かれている。
AとBが特進科。CとDが普通科。Eが音楽科。Fがパティシエ科と分かれている。1クラス約30人から35人だという。
「そっか。海月はお母様のお店をつぐものね」
「そう!!今はママの姉の沙織ちゃんがやってるけど絶対私が継ぐって約束したからさ!」
海月のお母さんはお店をやっていたが8年前に病気で亡くなられてから海月のお母さんのお姉さんが切り盛りしている。