エリート御曹司とお見合い恋愛!?
正午のチャイムがどこからともなく聞こえ、交代でお昼休憩を取ることになる。私はお弁当を持参するか、二階のコンビニで調達することが多い。倉木さんと会う朝は、自然と後者なので、今日もコンビニまでひとっぱしりだ。
「あれ、倉木くん?」
よく知る名前に、私は勝手に反応した。受付カウンターを後にしようと、離れたところで、つい振り向いてしまう。
倉木さんは受付にて、なにやら午後の来客についての伝達事項を告げている。担当している先輩は、その内容を受けてメモした後、ぱっと顔を上げて倉木さんに笑顔を向けた。その顔は、女の私から見ても、とても綺麗だった。
「倉木くん、今週どこか空いてない? 私、時間あるよ」
あまりにも自然なお誘いに、なぜか私の心臓がズキリと痛む。
「あー、ごめん。ちょっと都合悪い」
「そうなんだ。仕事忙しいの?」
「まぁ。今、大一番の仕事を抱えてて」
「そっか、大変だね。また落ち着いたら声かけて」
困ったような倉木さんに対し、先輩はしゅんと残念そうな顔になる。美人にあんな顔をさせるなんて、倉木さんはやっぱり罪作りな男性だ。
「了解。じゃ、先方が来たら伝達よろしく」
話が終わったようで、私は急いで踵を返し、背を向ける。そのまま早足でエレベーターに向かった。この渦巻くような感情がなんなのか分からない。
なにも食べていないのに胃がムカムカしてくる。エレベーターの前では何人もが待っていた。呼び出したものの、どれも他の階で動いていて、なかなか来そうにない。
この時間帯はいつもそうだ。そんな分かりきっていることにさえ、イライラしてしまう。
「あれ、倉木くん?」
よく知る名前に、私は勝手に反応した。受付カウンターを後にしようと、離れたところで、つい振り向いてしまう。
倉木さんは受付にて、なにやら午後の来客についての伝達事項を告げている。担当している先輩は、その内容を受けてメモした後、ぱっと顔を上げて倉木さんに笑顔を向けた。その顔は、女の私から見ても、とても綺麗だった。
「倉木くん、今週どこか空いてない? 私、時間あるよ」
あまりにも自然なお誘いに、なぜか私の心臓がズキリと痛む。
「あー、ごめん。ちょっと都合悪い」
「そうなんだ。仕事忙しいの?」
「まぁ。今、大一番の仕事を抱えてて」
「そっか、大変だね。また落ち着いたら声かけて」
困ったような倉木さんに対し、先輩はしゅんと残念そうな顔になる。美人にあんな顔をさせるなんて、倉木さんはやっぱり罪作りな男性だ。
「了解。じゃ、先方が来たら伝達よろしく」
話が終わったようで、私は急いで踵を返し、背を向ける。そのまま早足でエレベーターに向かった。この渦巻くような感情がなんなのか分からない。
なにも食べていないのに胃がムカムカしてくる。エレベーターの前では何人もが待っていた。呼び出したものの、どれも他の階で動いていて、なかなか来そうにない。
この時間帯はいつもそうだ。そんな分かりきっていることにさえ、イライラしてしまう。