エリート御曹司とお見合い恋愛!?
たまに来訪者を各フロアまで案内したりするので、初めてではない。それでも、私は仕事を終えてから、あまり足を運ばないコンサルティング会社のフロアを挙動不審にうろうろしていた。
なんとか指定された場所にたどり着き、ここで合っているかを何度も確認してから『第五小会議室』と書かれた部屋の扉を控えめにノックした。
中に人のいる気配は感じなかったが、聞きなれた声でどうぞ、と返事があったので私は緊張しつつも扉を開ける。
部屋の内装は会議室、というよりもどこかのお店のようなポップな雰囲気だった。並べられた赤い椅子は独特のフォルムで真ん中に白いテーブルが置かれている。壁は白くてやはりアクセントに赤が塗られたり。
しかし会議に必要なホワイトボードやスクリーンなどもばっちり用意されていた。倉木さんはそのホワイトボードから一番近い席に座り、ひとりでパソコンと睨めっこしている。
「あれっ、まだ仕事終わってない?」
顔を上げて私を見ると、その格好について一番に指摘された。私はまだ制服のままだった。
「いえ。あの、用件が分からなかったので、仕事の話だといけないと思い……」
着替えるかどうか悩んだ理由をぼそぼそと告げると、倉木さんは勢いよく吹き出した。
「え、ちょっと待って。それであんなに思いつめた顔してたの!?」
「お、思いつめてません! ただ、念には念を、と思って」
その返事に倉木さんはさらに笑いだす。私はなんだかとんでもないミスをおかした気持ちになって恥ずかしくなった。
やっぱり着替えてくるのが正解だったのだ。倉木さんはノートパソコンを閉じると、俯いたままの私に歩み寄ってきた。
なんとか指定された場所にたどり着き、ここで合っているかを何度も確認してから『第五小会議室』と書かれた部屋の扉を控えめにノックした。
中に人のいる気配は感じなかったが、聞きなれた声でどうぞ、と返事があったので私は緊張しつつも扉を開ける。
部屋の内装は会議室、というよりもどこかのお店のようなポップな雰囲気だった。並べられた赤い椅子は独特のフォルムで真ん中に白いテーブルが置かれている。壁は白くてやはりアクセントに赤が塗られたり。
しかし会議に必要なホワイトボードやスクリーンなどもばっちり用意されていた。倉木さんはそのホワイトボードから一番近い席に座り、ひとりでパソコンと睨めっこしている。
「あれっ、まだ仕事終わってない?」
顔を上げて私を見ると、その格好について一番に指摘された。私はまだ制服のままだった。
「いえ。あの、用件が分からなかったので、仕事の話だといけないと思い……」
着替えるかどうか悩んだ理由をぼそぼそと告げると、倉木さんは勢いよく吹き出した。
「え、ちょっと待って。それであんなに思いつめた顔してたの!?」
「お、思いつめてません! ただ、念には念を、と思って」
その返事に倉木さんはさらに笑いだす。私はなんだかとんでもないミスをおかした気持ちになって恥ずかしくなった。
やっぱり着替えてくるのが正解だったのだ。倉木さんはノートパソコンを閉じると、俯いたままの私に歩み寄ってきた。