エリート御曹司とお見合い恋愛!?
「恋愛スキルを上げたいのも分かるけど、そんな無理しなくてもいいんだよ。無理したって」
「無理してませんよ!」
倉木さんの言葉を遮り、今度こそはっきりと、私は自分の気持ちを素直に声に出せた。
「たしかに倉木さんには、私が頼んで仕事としてお付き合いしてもらっていますけど、でも、それでも何度も朝、顔を出すのは倉木さんといるのが嫌じゃないからです。無理なんてしてません」
本当は、倉木さんはそんなつもりがないのに、自分だけデートだと浮かれるのが怖かった。いつもは通勤だけだから、あまり気にしない私服もコーディネートに気を使ったり。今日は、思い切ってこんな話をしてみよう、って意気込んだり。
あの扉を開けるとコーヒーのいい香りに包まれながら、いつもの場所に倉木さんがいるのを確認し、胸を高鳴らせている自分がいる。
けれど、そんな気持ちで彼に会うのを、悟られてはいけない気がして。なんたってこれは、彼にとっては仕事なのだ。しかも、かなり厄介な。
「倉木さんこそ、いくら仕事とはいえ、私のことで無理してるなら」
「無理してないよ」
緊張しながら口にした言葉に、ぽつりと返される。私は倉木さんの方をじっと見た。形のいい眉が困ったように下がった。
「元々、続けて同じ女性と会うような人間じゃないんだ、俺は。相手に変な期待を抱かせるのも申し訳ないし、特別だと思われても厄介だし。
だから、仕事とは思っているけど、こうして桜田さんと何度も会って、過ごせてるのは、俺的にはなかなか珍しいことなんだけど」
「無理してませんよ!」
倉木さんの言葉を遮り、今度こそはっきりと、私は自分の気持ちを素直に声に出せた。
「たしかに倉木さんには、私が頼んで仕事としてお付き合いしてもらっていますけど、でも、それでも何度も朝、顔を出すのは倉木さんといるのが嫌じゃないからです。無理なんてしてません」
本当は、倉木さんはそんなつもりがないのに、自分だけデートだと浮かれるのが怖かった。いつもは通勤だけだから、あまり気にしない私服もコーディネートに気を使ったり。今日は、思い切ってこんな話をしてみよう、って意気込んだり。
あの扉を開けるとコーヒーのいい香りに包まれながら、いつもの場所に倉木さんがいるのを確認し、胸を高鳴らせている自分がいる。
けれど、そんな気持ちで彼に会うのを、悟られてはいけない気がして。なんたってこれは、彼にとっては仕事なのだ。しかも、かなり厄介な。
「倉木さんこそ、いくら仕事とはいえ、私のことで無理してるなら」
「無理してないよ」
緊張しながら口にした言葉に、ぽつりと返される。私は倉木さんの方をじっと見た。形のいい眉が困ったように下がった。
「元々、続けて同じ女性と会うような人間じゃないんだ、俺は。相手に変な期待を抱かせるのも申し訳ないし、特別だと思われても厄介だし。
だから、仕事とは思っているけど、こうして桜田さんと何度も会って、過ごせてるのは、俺的にはなかなか珍しいことなんだけど」