エリート御曹司とお見合い恋愛!?
「倉木さん、意外と形から入るタイプですか?」
「恋愛初心者の桜田さんに気を遣ってあげてるんだよ」
「それは、ありがとうございます。デート楽しみにしています」
クライアントとして、これぐらいの発言は許されるだろう。極力余裕をもって返したつもりだけれど「デートしよう」なんて言われたのは生まれて初めてのことで、その言葉が何度も頭の中でリフレインする。
逸る胸を押さえながら倉木さんの後を追う。
「ちなみに今日はどこにしようか。希望とかある?」
部屋の電気を消した倉木さんに尋ねられ、私は一瞬だけ考えた。
「じゃぁ、今日はラーメン食べたいです」
「ラーメン!?」
私の提案に倉木さんは珍しくも素っ頓狂な声をあげる。おかげで私は、自分がとんでもないことを言ってしまった気がして、声が小さくなってしまった。
「駄目です? 魚介スープがベースの美味しいラーメン屋さんが入っているのに、行ったことがなかったので」
六階に入っているラーメン屋さんは、わりとお洒落で女性も入りやすい店構えではあるけれど、同僚とご飯に行く時も、まずないチョイスだし、さすがにひとりで行くのも少しだけ躊躇っていたので、いい機会だと思ったのだけれど。
「あそこ旨いよ。でも意外、桜田さんってその格好でラーメンとか選ぶ人なんだ」
なんだかおかしそうに言ってくる倉木さんに私は恥ずかしさよりも、ついむっとしてしまった。
「恋愛初心者の桜田さんに気を遣ってあげてるんだよ」
「それは、ありがとうございます。デート楽しみにしています」
クライアントとして、これぐらいの発言は許されるだろう。極力余裕をもって返したつもりだけれど「デートしよう」なんて言われたのは生まれて初めてのことで、その言葉が何度も頭の中でリフレインする。
逸る胸を押さえながら倉木さんの後を追う。
「ちなみに今日はどこにしようか。希望とかある?」
部屋の電気を消した倉木さんに尋ねられ、私は一瞬だけ考えた。
「じゃぁ、今日はラーメン食べたいです」
「ラーメン!?」
私の提案に倉木さんは珍しくも素っ頓狂な声をあげる。おかげで私は、自分がとんでもないことを言ってしまった気がして、声が小さくなってしまった。
「駄目です? 魚介スープがベースの美味しいラーメン屋さんが入っているのに、行ったことがなかったので」
六階に入っているラーメン屋さんは、わりとお洒落で女性も入りやすい店構えではあるけれど、同僚とご飯に行く時も、まずないチョイスだし、さすがにひとりで行くのも少しだけ躊躇っていたので、いい機会だと思ったのだけれど。
「あそこ旨いよ。でも意外、桜田さんってその格好でラーメンとか選ぶ人なんだ」
なんだかおかしそうに言ってくる倉木さんに私は恥ずかしさよりも、ついむっとしてしまった。