エリート御曹司とお見合い恋愛!?
普段、社員たちは専用のエレベーターを使って、そのまま各々の職場に向かうのだけれど、倉木さんはまめに受付に顔を出していた。
何時頃にどんなクライアントが来るのか、忙しくて時間が被りそうなときは、連絡するまで受付で相手をしておいて欲しい、なんて無茶なお願いも日常茶飯事だった。
そんな倉木さんの頼みを嫌がる同僚はひとりもいない。なんたって
『頼むよ、山本さん』
『しょうがないですね、じゃぁ、今度なにかご馳走してください』
『了解。また空いてるときに連絡するよ』
手際よく先輩と約束を取り交わし、仕事に向かう倉木さん。この前は別の先輩を同じように誘っていた気がするけれど。不思議そうな顔をしている私に、親切にも山本さんは教えてくれた。
倉木さんは決して本命の彼女を作らず、根っからの遊び人だと。彼にとって恋愛は仕事の合間にする気まぐれなもので、自分の気分次第で誘った異性とご飯を食べたりデートしたり、それ以上のことをしたり。
絶対に本命の彼女を作ったりはしないんだとか。おかげで本気になって泣いた女子は何人もいるらしい。遊びと割り切れる女性だけが彼の相手を務められる。
ちなみに山本さんは、この前、彼氏と別れたから、気晴らしにちょうどいいと笑っていた。
仕事のできる彼の唯一の欠点と見なすべきか、らしさと見るべきか。どちらにしろ私にとってはまったく別次元の話で、そんな付き合い方をする人もいるんだな、くらいにしか思っていた。けれど、
何時頃にどんなクライアントが来るのか、忙しくて時間が被りそうなときは、連絡するまで受付で相手をしておいて欲しい、なんて無茶なお願いも日常茶飯事だった。
そんな倉木さんの頼みを嫌がる同僚はひとりもいない。なんたって
『頼むよ、山本さん』
『しょうがないですね、じゃぁ、今度なにかご馳走してください』
『了解。また空いてるときに連絡するよ』
手際よく先輩と約束を取り交わし、仕事に向かう倉木さん。この前は別の先輩を同じように誘っていた気がするけれど。不思議そうな顔をしている私に、親切にも山本さんは教えてくれた。
倉木さんは決して本命の彼女を作らず、根っからの遊び人だと。彼にとって恋愛は仕事の合間にする気まぐれなもので、自分の気分次第で誘った異性とご飯を食べたりデートしたり、それ以上のことをしたり。
絶対に本命の彼女を作ったりはしないんだとか。おかげで本気になって泣いた女子は何人もいるらしい。遊びと割り切れる女性だけが彼の相手を務められる。
ちなみに山本さんは、この前、彼氏と別れたから、気晴らしにちょうどいいと笑っていた。
仕事のできる彼の唯一の欠点と見なすべきか、らしさと見るべきか。どちらにしろ私にとってはまったく別次元の話で、そんな付き合い方をする人もいるんだな、くらいにしか思っていた。けれど、