エリート御曹司とお見合い恋愛!?
4.興味をもつのは大事なこと
 ふたりで会うのは今更だけれど、それでもはっきりとデートと口にして約束するのは初めてだ。私よりも忙しい倉木さんの都合に合わせて設けられた日程に、意を唱えることはなく、その日は訪れた。

 ビル内でのこととはいえ、おかげで私は朝からずっと緊張しっぱなしだ。

 理由は、もちろん初デートということもあるのだけれど、それだけではない。デート内容は至ってシンプル、この前と同じ食事をするだけ。

 それでも、その指定された場所というのがビルの五十三階にある高級レストランなのだから、気が気ではない。

 この前のラーメン店とはまったくもって訳が違う。受付で案内することはあっても、私自身はそのフロアに足を踏み入れたことさえないのだから、未知の世界なのもいいところだ。

 話を聞いた時は驚いて、そんなところじゃなくても!なんて言ってしまったけれど、倉木さんに

『せっかくの初デートだし、お見合いする相手も会社を経営するような人なんでしょ? それなら、こういうところで食事なんてざらにあると思うけれど?』

 なんて返され、私はなにも言えなくなった。つまり、これは練習も兼ねているということだ。クライアントのことをどこまでも考えてくれているのは、さすが倉木さんと言うべきか。

 そんなわけで業務終了後、私は着替えてからパウダールームで悪戦苦闘していた。どんな服装にすべきか、ビルのホームページを今更ながらにチェックして、必死に考えた結果、結局は無難に、サテン地の淡いブルーのワンピースを選んだ。
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