エリート御曹司とお見合い恋愛!?
「価値観なんて人それぞれですし。それに、倉木さんは適当じゃなくて誠実ですよ。だって自分の恋愛スタイルとか、結婚に消極的なのをちゃんと先に明言してるんですから」
世の中、結婚する気がないくせに、ずるずる付き合ってしまう人だっているだろうし、平気で浮気する人だってたくさんいる。
だから、倉木さんはある意味、真面目なんだと思う。私が告白したときだって、わざわざ尋ね返して意思確認してくれたし。そのうえで、こんな面倒なことに付き合ってくれるのだから。
力強く告げてから、ふと我に返り、私は無意識に握っていた拳を静かに膝に置いた。
「……気の利いたこと言えなくて、すみません」
自分から話題を振っておいて、答えてくれた倉木さんに対し、ろくなことひとつ言えないのが情けない。再びこうべを垂れると、アップにしていたヘアスタイルのおかげで、頭が余計に重たく感じた。
「謝るのは俺の方だよ」
小さく落とされた声に、私は目を丸くした。顔を上げると、少しだけ気まずそうな顔をした倉木さんが苦々しく笑った。
「最初、桜田さんが親の期待通りにしようとするのを見て、腹が立ったけれど、あれって俺には理解できない感情でさ。俺は母親に、期待どころか、あまり興味さえも持ってもらってなかったから。……どう? 本当の俺なんてこんなもんだよ。中身も薄くて適当で。失望した?」
「まさか! だって倉木さんはヒーローですから」
「はあ?」
即座に返した私に倉木さんの表情が崩れた。しかし私は大真面目だ。
世の中、結婚する気がないくせに、ずるずる付き合ってしまう人だっているだろうし、平気で浮気する人だってたくさんいる。
だから、倉木さんはある意味、真面目なんだと思う。私が告白したときだって、わざわざ尋ね返して意思確認してくれたし。そのうえで、こんな面倒なことに付き合ってくれるのだから。
力強く告げてから、ふと我に返り、私は無意識に握っていた拳を静かに膝に置いた。
「……気の利いたこと言えなくて、すみません」
自分から話題を振っておいて、答えてくれた倉木さんに対し、ろくなことひとつ言えないのが情けない。再びこうべを垂れると、アップにしていたヘアスタイルのおかげで、頭が余計に重たく感じた。
「謝るのは俺の方だよ」
小さく落とされた声に、私は目を丸くした。顔を上げると、少しだけ気まずそうな顔をした倉木さんが苦々しく笑った。
「最初、桜田さんが親の期待通りにしようとするのを見て、腹が立ったけれど、あれって俺には理解できない感情でさ。俺は母親に、期待どころか、あまり興味さえも持ってもらってなかったから。……どう? 本当の俺なんてこんなもんだよ。中身も薄くて適当で。失望した?」
「まさか! だって倉木さんはヒーローですから」
「はあ?」
即座に返した私に倉木さんの表情が崩れた。しかし私は大真面目だ。