エリート御曹司とお見合い恋愛!?
「はい、頑張ったね。お疲れさま」
一通りのメニューをこなし、辺りに人がいないのをいいことに、休憩スペースの椅子に腰かけ、私は大袈裟に項垂れる。
倉木さんが明るく声をかけてくれるけれど、あまり耳に入ってこない。自分の体力のなさに軽く絶望して、手渡されたスポーツ飲料を受け取った。
「ありがとう、ございます」
倉木さんが笑顔で私の隣に腰かけてくる。
「なんだかんだで、全部メニューこなせたじゃん。すごいすごい」
改めて褒められて、私は恥ずかしくなった。そんなたいした内容ではないのは分かっているし、そこに至るまで何度も無理だと弱音を吐いたりしたから余計にだ。
「いえ。倉木さんがずっと励ましてくれてたからですよ」
「桜田さんが頑張ったからだよ。まさか本当にジムに来ると思わなかったし」
飲もうと思ったペットボトルから口を離して、私は目を剥いた。
「ちょっと待てください、誘ってくれたのは倉木さんでしょ?」
「うん、まぁそうなんだけどね。でも、こういうところに一緒に来るのを嫌がる女性は多いと思ってたから」
その発言に、羞恥心が駆け巡る。思えば今の自分の格好はTシャツにハーフパンツとお洒落さの欠片もなければ、髪もひとつに後ろでまとめただけで、汗もかいている。
このジムはシャワーはもちろん女性専用のパウダールームがあり、ミドルフロアに入っている化粧品会社の最新の化粧品などが試供品として置かれているので、女性も利用しやすく、逆にそれがウリにもなっていてとても人気だ。
しかし、今はそんなことはまったくなんの慰めにもならない。
一通りのメニューをこなし、辺りに人がいないのをいいことに、休憩スペースの椅子に腰かけ、私は大袈裟に項垂れる。
倉木さんが明るく声をかけてくれるけれど、あまり耳に入ってこない。自分の体力のなさに軽く絶望して、手渡されたスポーツ飲料を受け取った。
「ありがとう、ございます」
倉木さんが笑顔で私の隣に腰かけてくる。
「なんだかんだで、全部メニューこなせたじゃん。すごいすごい」
改めて褒められて、私は恥ずかしくなった。そんなたいした内容ではないのは分かっているし、そこに至るまで何度も無理だと弱音を吐いたりしたから余計にだ。
「いえ。倉木さんがずっと励ましてくれてたからですよ」
「桜田さんが頑張ったからだよ。まさか本当にジムに来ると思わなかったし」
飲もうと思ったペットボトルから口を離して、私は目を剥いた。
「ちょっと待てください、誘ってくれたのは倉木さんでしょ?」
「うん、まぁそうなんだけどね。でも、こういうところに一緒に来るのを嫌がる女性は多いと思ってたから」
その発言に、羞恥心が駆け巡る。思えば今の自分の格好はTシャツにハーフパンツとお洒落さの欠片もなければ、髪もひとつに後ろでまとめただけで、汗もかいている。
このジムはシャワーはもちろん女性専用のパウダールームがあり、ミドルフロアに入っている化粧品会社の最新の化粧品などが試供品として置かれているので、女性も利用しやすく、逆にそれがウリにもなっていてとても人気だ。
しかし、今はそんなことはまったくなんの慰めにもならない。