エリート御曹司とお見合い恋愛!?
「俺さ、そういうの嫌いなんだよね。親の顔色窺ったり、期待通りにやればいい、みたいな。自分の意思はないわけ?」
嫌悪感がひしひしと伝わってくる。倉木さんの言うことはまったくもってその通りだ。だけど
「親の期待通りにしたことなんて、全然ないですよ」
つい反論してしまった。今はどうでもいいことなのに。はたと気づいて俯いたまま、私はさらに頭を沈めた。
「すみません、失礼なお話でした。どうか忘れてください」
そのまま踵を返して急いでその場を去ろうとした。
「ちょっと!」
けれど、呼び止められたので、思わず立ち止まる。
「俺に声をかけてきたのは、俺がまともに恋人を作って恋愛しないから? 知ってるよね、俺の恋愛スタイル」
背中で受けた問いかけを無視するわけにも行かず、私はおもむろに振り返った。
「それもありますけど……」
「けど?」
不機嫌そうな顔をしている倉木さんに続きを促され、私は迷う。しかしここまで来たら、どう取り繕っても一緒だ。
「倉木さん、コンサルタントのお仕事ですから。成功報酬型なのに、すごい成績だって」
これは、全部同僚から聞いた話で、実際に彼の詳しい仕事内容は分からない。突然、仕事の話を持ち出され、意味が分からないと顔で訴えてくる倉木さんに私は続ける。
「コンサルタントってクライアントの悩みを聞いて経営や戦略を立て直していくんですよね? それを恋愛にもしてもらえないかなって」
たどたどしく告げた私に、倉木さんは目を丸くさせた。自分でも、馬鹿なことを考えたと思う。案の定、倉木さんの表情は崩れないままだった。
嫌悪感がひしひしと伝わってくる。倉木さんの言うことはまったくもってその通りだ。だけど
「親の期待通りにしたことなんて、全然ないですよ」
つい反論してしまった。今はどうでもいいことなのに。はたと気づいて俯いたまま、私はさらに頭を沈めた。
「すみません、失礼なお話でした。どうか忘れてください」
そのまま踵を返して急いでその場を去ろうとした。
「ちょっと!」
けれど、呼び止められたので、思わず立ち止まる。
「俺に声をかけてきたのは、俺がまともに恋人を作って恋愛しないから? 知ってるよね、俺の恋愛スタイル」
背中で受けた問いかけを無視するわけにも行かず、私はおもむろに振り返った。
「それもありますけど……」
「けど?」
不機嫌そうな顔をしている倉木さんに続きを促され、私は迷う。しかしここまで来たら、どう取り繕っても一緒だ。
「倉木さん、コンサルタントのお仕事ですから。成功報酬型なのに、すごい成績だって」
これは、全部同僚から聞いた話で、実際に彼の詳しい仕事内容は分からない。突然、仕事の話を持ち出され、意味が分からないと顔で訴えてくる倉木さんに私は続ける。
「コンサルタントってクライアントの悩みを聞いて経営や戦略を立て直していくんですよね? それを恋愛にもしてもらえないかなって」
たどたどしく告げた私に、倉木さんは目を丸くさせた。自分でも、馬鹿なことを考えたと思う。案の定、倉木さんの表情は崩れないままだった。