エリート御曹司とお見合い恋愛!?
 倉木さんと過ごせる時間が限られていると分かっているのに、それを意識するのが嫌で、私は週が明けても、いつものカフェに足を運べなかった。

 一番初めにふたりで会ったカフェ。最初はあんなに緊張していたのに、いつの間にかすっかりお馴染みになっていた。

 それはカフェの雰囲気だけじゃない、倉木さんとふたりで会っても、緊張することもなく自然な自分でいられる。話題を必死に探していた頃が嘘のようで、対する倉木さんはあまり変わらないけど。

 そして、朝にカフェで過ごすときに、次に会う約束を交わしたりするのだが、その「次」も、もうやってこないかもしれない。

 現に、私がこうして倉木さんに会いに行かなければ、私たちは会うことはないのだ。連絡だって取り合ったこともない。その事実が、自分たちの付き合いの中身を物語っている。

 気づけば水曜日になって、昼休憩となった。私は凝り固まったふくらはぎをさすって、とりあえずお昼を買おうと、二階のコンビニまで足を運ぶことにする。

 ちょうど一般的な昼休み時間とかぶってしまい、エレベーターもコンビニもかなりの人でごった返してた。

 あまり選り好みはしている場合ではなさそうで、なんとかサンドイッチのコーナーまで辿り着いた私は目標をしぼり、手を伸ばして掴みとる。

 選んだのはトマトツナサンドだった。そしてサラダの棚から適当に商品を選び、さっさとレジに並ぶ。長居は無用だ。その間に飲み物メニューに目を通し、会計時にカフェラテを注文した。
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