隣の席の瀧くん
あたしは昼休み、きっと瀧くん図書室にいるだろうと思い向かった。
「瀧くん、ご飯一緒に食べよう?
その様子じゃまだ食べてないよね?」
まだ開いてないお弁当。
「…いいですよ、一ノ瀬さんは杏さんと食べて下さい。僕と食べてると色々言われますよ?」
そう言って本を読み始める瀧くん。
なにそれ…
「バカじゃないの?
あたしは瀧くんといたいの!
一緒に食べたいの!
周りなんか関係ないよ…」
「…じゃあ、上に行きましょう」
「う、上?」
そこは…
「あたし屋上なんて初めてきた…」
「僕もです」
「そうなの?
じゃあ何で屋上なの?」
「誰もいないし、人の目もない。
あと…一ノ瀬さんと2人きりになれる」
「……は、恥ずかしい、です…」
瀧くんは ふいに サラッと恥ずかしい事をいつも言うからだめだ。
「ねぇ一ノ瀬さん」
「何?」
「こっちおいで」
座ってると、そう言って両手を広げてこちらを見る瀧くん。