隣の席の瀧くん
「大丈夫、僕冬生まれ」
ニコッと笑う。
「で、12月5日。
覚えといてね、一ノ瀬さん」
これまたあたしの心を読んだかのように、誕生日を教えてくれた瀧くん。
「はー、何くれるんですかね?でもその前に一ノ瀬さんの誕生日ですね」
「ゆっ、悠人は何くれるのっ?」
「えっ」
「い、嫌?」
初めて呼んだ名前呼びに、自分で言って照れる。
「なに自分で言って照れてんの、花」
そう言ってあたしの頭に ポン と手のひらをのせ、あたしと目線を合わせる。
ーー”花”