隣の席の瀧くん
なんだかんだお喋りしていたら、
「2人とも下りてらっしゃーい」
と、下からお母さんの声がした。
リビングに着くと、なんともまぁとんでもないご馳走が用意されていた。
「 花の彼氏が来てるんだもの。お母さん張り切っちゃった」
えへへ、と笑う母。
いやいや、いくらなんでも多すぎやしない?
「瀧くん、遠慮せずモリモリ食べてちょうだいね」
「あ、はい。ありがとうございます」
席に着き、お母さんとお兄ちゃん、そしてあたしと悠人くんで食卓を囲む。
なんだか不思議。
いつもここにお父さんがいるのに今日は悠人くんがいる。
悠人くんとあたしの家族で夕御飯を食べているこの光景…
た、堪らんっっ…幸せすぎるっっ
「 ねぇ瀧くんはこんなバカ娘のどこに惚れたの? 」
「ーーーーブッッ!!」
お母さんの急な質問に、思わず飲んでいたお茶を吹き出しそうになってしまった。