隣の席の瀧くん
目力をさらに強くし、悠人くんを見る。
「…や、
僕と正反対だから、僕に持ってないものを持ってて毎日一緒にいて飽きないし、楽しいんですよ」
「…え」
「僕、ずっと1人だったんです。
1人が好きで本読んでたり、孤立してて…周りからは関わりづらいと思われ、変な目で見られてたんです」
淡々と話す悠人くん。
その話にお母さんもお兄ちゃんも箸を動かすのを止めた。
「そんな中、花さんと隣の席になって話すようになって…こんな僕にズカズカと入ってくるんです。
うるさいし、バカだし、でも素直でまっすぐで….そんな所に惚れました。僕と間逆な所に。
…いつの間にか、好きになっていました。覚えてません」
そう言って柔らかく微笑んだ。
…そんな風に思ってくれてたなんて。
「やだぁ〜〜〜っ、こっちが照れちゃうわ!も〜〜お、花ったらいい彼氏ゲットしたじゃないの!」
バシッとあたしの肩を叩く。
「ありがとう…悠人くん」
「いいえ…」
お礼を言うとフイッとあたしから顔を反らした。
ふふっ、照れてる。