隣の席の瀧くん



その日は、終始ニヤニヤが止まらなかったのでした。












夕食も食べ終わり、悠人くんは帰ることに。



「瀧くん、またいらしてね?」


「はい。ありがとうございます。
今日はご馳走様でした、美味しかったです。」


「嬉しいわ〜!

花、見送ってあげなさいね。
じゃあ気をつけてね、瀧くん」



お母さんはそう言って部屋の中に帰ってしまった。








外に出ると、モワッと 夏の湿気の暑さがあたしたちの身体を包む。



「 悠人くん今日は本当にありがとう。お母さんとお兄ちゃんが無理矢理ごめんね?」


「何言ってるんです。凄く楽しかったですよ」


「ならよかった…あと…」


「あと?」


「さっき言ってくれた事…すっごく嬉しかった…本当に」


「……忘れて下さい」




ほんのり顔が赤くなる悠人くん。




< 174 / 299 >

この作品をシェア

pagetop