隣の席の瀧くん
幼なじみの登場




次の日の朝、なぜだか学校が騒がしく感じた。



今日は悠人くんとは別々の登校。


最近は、一緒に行ったり帰ったりするのはたまーにだ。




「悠人くんおはよう。
今日は早いんだね」



わざと嫌味っぽく憎たらしく言った。



だって教室に入るとあたしと一緒に登校せず、ちゃっかり早くに席着いてまた難しい本を読んでいるんだもん。




「何か怒ってるんですか?」


「んー?べっつにぃ〜」


悠人くんはそういう人。
あたしから連絡しないとなんだけどね…



ふいっ と顔を背けて自分の席に座る。


面白そうだから、わざと怒ったふりをしてみる。




「花さん」



え?花”さん”?




「さん?」


「え?」


「昨日は花って呼んでくれたのに…なんだか急に他人みたい」




これもわざと。


昨日だって、ちょこちょこ”一ノ瀬さん”に言い方戻っていた。


さすがに分かる。悠人くんの事だから、まだ呼び捨てにするのが違和感なんだろう。








< 177 / 299 >

この作品をシェア

pagetop