隣の席の瀧くん
幼なじみの登場
次の日の朝、なぜだか学校が騒がしく感じた。
今日は悠人くんとは別々の登校。
最近は、一緒に行ったり帰ったりするのはたまーにだ。
「悠人くんおはよう。
今日は早いんだね」
わざと嫌味っぽく憎たらしく言った。
だって教室に入るとあたしと一緒に登校せず、ちゃっかり早くに席着いてまた難しい本を読んでいるんだもん。
「何か怒ってるんですか?」
「んー?べっつにぃ〜」
悠人くんはそういう人。
あたしから連絡しないとなんだけどね…
ふいっ と顔を背けて自分の席に座る。
面白そうだから、わざと怒ったふりをしてみる。
「花さん」
え?花”さん”?
「さん?」
「え?」
「昨日は花って呼んでくれたのに…なんだか急に他人みたい」
これもわざと。
昨日だって、ちょこちょこ”一ノ瀬さん”に言い方戻っていた。
さすがに分かる。悠人くんの事だから、まだ呼び捨てにするのが違和感なんだろう。