隣の席の瀧くん
2人のライバル
”落としてやる宣言”から1週間。
「はーな、今日の宿題みして」
「ちょ、壮ちゃん近い」
あたしと壮ちゃんの距離は数センチほど。
「ん?
この方が俺のこと意識するでしょ?」
「……」
壮ちゃんがかなりガンガン攻めてきます。
正直どうしていいのか…
「てか、修学旅行まであと1週間もないじゃん。俺ら班一緒だから楽しみだな」
そうだ。
季節はあっという間に10月。
楽しみにしていた修学旅行がなんだかとてつもなく不安になってきた。
壮ちゃんは転校してきて、あたしの後ろの席っていうのもあって、あたし達の班に混ざることになったのだ。
「不安でしかないわ…」
「俺もいるし、瀧くんもいるしね?」
とニヤニヤする壮ちゃん。
「なんか壮ちゃんそんなんだっけ?中学で一体何があったの」
「え?何もないけど?」
と意地悪そうにチャームポイントでもある八重歯を見せる。
「一ノ瀬さん、もう授業始まるので静かにしてはどうですか」
は!
いつの間にか悠人くんは隣の席に座っていた。
「う、うん…」