隣の席の瀧くん




「せっかくなら、和と杏ちゃんと花と瀧くんと5人で行きたいなー」


「うんうん!楽しそうじゃん!ね?悠人くん行こうよ〜、ね?」


「…」




瀧の奴、すっごい困ってる。笑える。


何を悩んでるんだか…壮介くんが心配なら一緒に行けばいいのに。




「花、瀧は行かないみたいだし、俺らで行こうぜ!」



と、わざと瀧くんに見せつけるように、花の肩に手を回す壮介くん。



「わ、なに壮ちゃん…っ」




わ、やるな、壮介くん。




それを見てイラっとしたのか、



「仕方ないですね…
花が言うなら、僕も行きます」



素直じゃねーな。



「素直じゃねーな」



わお。


珍しく和とコメントとあたしの心の声がハモった。




「素直に、花が心配だから〜って言えばいいのに〜。」



と、和がニヤニヤして言う。




全く…あんなに花の事好きだったのに…いつの間にかふっきれててそれでも一緒につるむって、尊敬するわ。






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