隣の席の瀧くん
文化祭









あっという間に季節は文化祭の季節に入った。



「はーい!

皆んな、出し物何にするか考えろー!」




馬鹿でかい声で生徒に言う担任の丸山先生こと丸ちゃん。



「はいはいはーい!
俺お化け屋敷がいいと思いまーす!」


「は!ちょっと和何言ってんの?お化け屋敷だけは止めようよ!」




後ろから和の背中を叩く。




「ってぇー!

なんでだよ、せっかく一ノ瀬のだ〜い好きなお化け屋敷にしようと思ってたのによー!」


「あたしがお化け嫌いな事くらい知ってるだろ、バカ!ブス!」


「おい!ブスはねーだろ、ブスは!」


「ぷ、」



ーーえ?


珍しく、悠人くんが笑ってる。




「ははは、久しぶりに見ました。花と和くんのそういう言い合い」


「和が花にフラれてからはめったに見れなくなったもんねー」と杏。



「おい杏、心えぐれるような事すんなり言うなよ………」


「あはははっ、ごめんごめん」




確かに、前ほど言い合う事はなくなったなー。




「なんか懐かしいね、和」


「ババアかよ」


「はーーーぁ?なんですって?!もう一回言ってみろ、ブス」





なーんて、ずっと言い合いしてたら、




「お前らうるさいぞー!

うちのクラスの出し物はお化け屋敷に決まったからなー!」


「……へ?ななななんでですか?!丸ちゃんんんん〜…」







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