隣の席の瀧くん



ドレスだから走りにくい…っ



「花っ、」



すると悠人くんが立ち止まって、2人の足が止まる。



「もう大丈夫だよ…」



辺りを見渡すと、学校の中庭に来ていた。


誰もいない場所で、きれいなお花達があたし達を囲む。



「花、何で急に走りだしたの?」


「…それは…っ、その…」



なかなか言えなくて、下を向いてしまう。



「僕は、びっくりした…和くんに花と壮介くんがコンテストかなんかに選ばれて出てるって聞いて」


「うん…」


「そしたらなんか皆んなに乗せられてキスしようとしてたし……しかもよりによって壮介くんだし」


「ごめんなさい」


「いいよ。
僕が間に合ったからいいんです」



ふわっとあたしの髪に指を絡める。




「可愛い…です。今の花」


「ド、ドレスのお陰だよ…」


「ううん、すっごい綺麗」



ーーーっ…


悠人くんってよくこんなド直球な甘セリフすらすら言えるな…


また心臓がもたなくなっちゃうよ…。


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