隣の席の瀧くん
「あぁ、」
自然と小さく漏れる自信のない声。
ーーお願いします。神様。
杏とどうか、同じ班になれますように。
「えーえいっっ!!!」
念を込め、引く。
「一ノ瀬うるせー!」
席から男子の野次が飛ぶ。
あたしはいつもそう。
男子にはいつも友達としかみられない。
そういうキャラ。
「もー!うるさいなー!せっかくあたしが念を込めて引いてんのに、修学旅行がかかってんだよ?!」
べーっ、と後ろの男子に怒鳴る。
「うっわー。ブス」
「え、まってヒドイ。うん」
「え、まって、事実」
「あんたねぇ…」
ガンガンあたしにつっかかる性悪男子。
和 - カズ。
和とは中学から一緒で腐れ縁だ。