隣の席の瀧くん




窓から吹く風が瀧くんの綺麗な黒髪をふわりと動かす。


ハッキリと見える切れ長の目。




ーーードキ


その姿があまりにも綺麗でつい、見惚れてしまっていたーー。



「……一ノ瀬さん?」


「はっ、瀧くん何故目の前に?!」


「いや一ノ瀬さんこそ何故ここに?もう休み時間終わりますよ?」




…キューと胸が締め付けられる。




「怒ってないの?」


「何がです」


「さっきの教室での事…」


「気にしてわざわざここまで来たのですか?」


「…だ、だってあたし瀧くんに酷い事言った…ううん、席替えの時だってあたしっ…っ」



あれっ、涙が勝手に…




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